非居住者から不動産を借りる際の留意点

外国人が投資目的で日本の不動産を購入し、賃貸することが多くなりました。

そこで今回は、非居住者から不動産を借りた場合の税金についてみていきたいと思います。

居住者から不動産を借りる場合

不動産の貸主が外国人であっても、日本に住所を有するなど居住者の場合は、借主が税金で特に気を付けることはありません。

非居住者から不動産を借りる場合

不動産の貸主が日本に住所を有しない非居住者の場合、借主は支払方法について気を付けないと、後で多額の追徴課税を受けることがあります。

また、非居住者に該当するかどうかと、日本国籍の有無は関係ありません。

そのため、外国居住の日本人の貸主から不動産を借りる場合も、同様に支払方法について注意が必要になります。

原則

日本に住所を有しない非居住者であっても、日本国内の不動産を貸して利益が発生した場合には、翌年の3月15日までに確定申告を行い、所得税を納付する必要があります。

しかしながら、非居住者は日本に住所を有していないため、不動産の賃貸について自主的に確定申告を行い、所得税を納付することが正直期待できません。

そこで、非居住者の申告・納付漏れを防止する観点から、借主には次の源泉徴収義務が課されています(所法161①七、212①、213①二)。

借主は、不動産賃料の20.42%を源泉徴収し、支払日の翌月10日までに税務署に納付しなければならない

実際の税金の流れについて事例でみていきたいと思います。

事例

 ×7年1月から2年間の契約で日本の居住者であるAは、中国在住のBから日本国内の事務所を月額100万円で借りている。

【借主】賃料支払時

借主は支払時に源泉徴収を行い、差額を貸主に支払います。

支払時
  1. 源泉徴収税額 賃料100万円×20.42%=204,200円
  2. 支払金額 100万円‐204,200円 = 795,800円

【借主】源泉所得税を納付

借主は、源泉徴収した204,200円を支払日の翌月10日までに税務署に納付します。

【貸主】確定申告

貸主は、事務所の賃貸について翌年3月15日までに確定申告を行い、所得税を納付します。

なお、本来納付する所得税よりも源泉徴収税額の方が多い場合は、差額が還付されます。

なお、賃貸した年の翌年1月1日に住所を有していないため、住民税は課されません。

例外

非居住者から不動産を借りた場合、借主には源泉徴収義務が課されるのが原則です。

しかしながら、非居住者の税金の申告・納付漏れを防ぐためという観点であっても、自己の居住用として不動産を借りた場合にまで全て源泉徴収義務を課すのは酷といえます。

そこで、次の場合には、源泉徴収義務は課されません。

源泉徴収義務が課されない場合

    • 不動産を自己又はその親族の居住の用に供するために借り受けた場合


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