飲食料品の消費税率0%が実現した場合②

令和8年2月の衆議院選挙で自民党が大勝し、公約に掲げていた飲食料品の消費税率0%が実現しそうです。

そこで、飲食料品の消費税率0%が実現したら、①仕入、②飲食店でのテイクアウト販売、③店内飲食で、どのような影響があるのかについてみていきたいと思います。

前回は消費者目線での影響について取り上げましたので、今回は飲食店目線での影響について取り上げたいと思います。(前回の記事は→コチラ

なお、説明の便宜のため消費税の影響のみ考慮します。

消費税の計算方法

まず、消費税の計算方法について簡単に触れておきたいと思います。

消費税の計算方法
  1.  売上などで受け取った消費税
  2.  仕入・経費などで支払った消費税
  3.  差額(①ー②)を税務署に納付する又は還付される

消費税の計算方法のとおり、税務署に消費税を納付するのが一般的です。

しかしながら、設備投資をおこなったりして②の仕入・経費などで支払った消費税が、①の売り上げなどで受け取った消費税よりも多い場合は、税務署から消費税が還付されることになります。

仕入をした場合

飲食料品店での仕入は、飲食料品の譲渡に該当します。

そのため、飲食料品店での仕入は現在軽減税率の8%となっていますが、飲食料品の消費税率0%が実現した場合、消費税率は0%となります。

現在(飲食料品の消費税率8%)の場合

魚屋から本体価格500円の魚を仕入れる場合、消費税8%分の40円が加算され、合計540円を支払うことになります。

飲食料品の消費税率0%が実現した場合

魚屋から本体価格500円の魚を仕入れる場合、消費税はかかりません。

そのため、消費税8%分の40円安くなり、500円で仕入れることができます。

飲食店でのテイクアウト販売の場合

飲食店でのテイクアウト販売は、飲食料品の譲渡に該当します。

そのため、テイクアウト販売は現在軽減税率の8%となっていますが、飲食料品の消費税率0%が実現した場合、消費税率は0%となります。

現在(飲食料品の消費税率8%)の場合

販売時

本体価格1,500円の料理をテイクアウト販売した場合、消費税8%分の120円を加算し、合計1,620円を受け取ることになります。

消費税確定申告

テイクアウト販売の際に受け取った消費税120円から、仕入の際に支払った消費税40円を差し引いて、80円を税務署に納付します。

飲食料品の消費税率0%が実現した場合

販売時

本体価格1,500円の料理をテイクアウト販売した場合、消費税はかかりません。

そのため、本体価格1,500円が販売価格となります。

消費税確定申告

テイクアウト販売で受け取った消費税も、仕入の際に支払った消費税もありませんので、税務署に納付する金額はありません。

もっとも、説明の便宜のため記載していませんが、実際は弁当の容器代などの経費で支払った消費税がありますので、確定申告することにより消費税の還付を受けることができます。

店内飲食の場合

飲食店での店内飲食は、飲食料品の譲渡に該当しません。

飲食料品の消費税率0%が実現しても、飲食店での店内飲食は消費税率は10%のままとなります。

そのため、飲食店で本体価格1,500円の食事の場合、消費税10%分の150円を加算し、合計1,650円を受け取ることになります。

現在(飲食料品の消費税率8%)の場合の確定申告

店内飲食の際に受け取った消費税150円から、仕入の際に支払った消費税40円を差し引いて、110円を税務署に納付します。

飲食料品の消費税率0%が実現した場合の確定申告

仕入の際に支払った消費税はありませんので、店内飲食で受け取った消費税150円を税務署に納付します。

まとめ

飲食料品の消費税率0%が実現した場合、テイクアウト販売と店内飲食で販売価格に10%の差が生じます。

そのため、店内飲食を控え、テイクアウト販売の需要が増加することが見込まれます。

また、店内飲食の場合は、仕入の際に支払った消費税がないため、消費税の税務署への納付額が増加することにより、痛税感が増すことになりそうです。

 

 

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